知り合いの料理記者が酔うといつも話してくれたデザート。
平凡な生活を送る自分には関係のない世界と諦めていたデザートについに巡り会えた。
その名は、チェリージュブリー
パシフィックビーチホテルの料飲担当マネージャーが、ふと漏らしたデザート名に頭の中は真っ白になった。
『それ、出来るの』
『作って見ましょうか』
20年憧れていた伝説のデザートに巡り会えた。
シェフは重々しくブランデーを容器に注ぎ、それにシナモンをいれ、銀器を温めてシナモンの入ったブランデーを銀器に満たした。
それに火をかざすと、青みがかった炎が立ち上がった。
オレンジの皮を細く連ねたものに、丁子(ちょうじ)をいくつも刺したものを、目の高さまで持ち上げ、ぶら下げる。
ああ、丁子か。丁子とは宦官が口臭を紛らすため口に含んだといわれる香りの王者である。
そうそう、このごろ この宦官でさえ知らない人が多い、”出世のため男を捨てた悲しい男”\と言われている人たちだ。
閑話休題。
そのオレンジの皮にさきほどの液を垂らしていく。
青白い炎を放った液が、蛇のようにオレンジの皮を伝わって螺旋を描いてゆっくりと落ちていく。
オレンジの皮の下におかれたシロップ煮されたチェリーのうえに、オレンジと丁子の香りが染みこんだシナモン入りブランデーが注がれる。えも言われぬ素晴らしい香りだ。
アイスクリームの上に、このチェリーを乗せて出来上がり。
美味い。20年以上憧れていた味は期待を遥かに凌ぐ素晴らしい味だった。至福とはこういうことか。
困ったことがひとつある。パシフィックビーチホテルのネプチューン・ガーデンのメニューにはこのチェリージュブリーは載ってない。従って値段もない。
この技のあるシェフがいれば作ってくれるので、トライしてみてください。
値段は税金、サービス料込みで15ドル位か。
JTBハワイ 副社長 辻野啓一

ネプチューンズ・ガーデンのディナークーポンはこちら
*チェリージュブリーはメニューに含まれておりません。
*ネプチューンズ・ガーデンは2009年7月31日をもってクローズになります。


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